COLUMN

ASインタビュー 第2回 (全2回)

IAです。
最終回はプラグインシリーズの歩みや今後についてのお話です。

IA ： プラグインがシリーズ化した経緯を教えてください。

AS ： 「EDIUS」のプラグインが順調に受注されてきた頃に「Media Composer®」のご依頼があったので、2015年に開発しました。
さらに2016年に「Premiere Pro®」もご依頼があったので開発し、現在に至ります。
編集機に元から備わっているテロッパーは、簡易的なテロップを作る際にとても便利だと思いますが、
放送局の皆さんは使い慣れたラムダのテロッパーで凝ったテロップを制作されるので、
ノンリニア編集機ごとのプラグインの要望が届くようになったのだと思います。

IA ： ３つのプラグインの中で、一番苦労したのはどれですか。

AS ： 最初の「EDIUS」が一番苦労しました。
0から作らなくてはいけなく、そもそも編集機の仕組みを理解するのに苦労しました。
今までの経験とノウハウをなんとか駆使して形にすることができました。
一度ルールを作れば流用できるので、他のソフトはそこまで大変ではなかったです。

IA ： お客様からいただいたフィードバックの中で、印象に残っているものはありますか？

AS ： 最初に「EDIUS」のプラグインをご要望いただいたお客様に持っていったときに 「これを待ってた！！」 と言っていただきました。嬉しかったですね。 私も「お待たせしました」って感じでした(笑)
その後は、口コミや展示会で評判が広まって、他の放送局様からもお話をいただくようになりました。
現在は、既販の3つのメーカー以外のプラグイン製品もお話をいただいているので、そちらのプラグインを開発中です。

IA ： 新しいものをつくる際のモチベーションはどういったところから来ているのでしょうか？

AS ： 同じ開発で同じやり方をずっと繰り返していくよりも、新しいものを作る方が興味ありますし、
誰も作ったことがないものを作れる楽しさが一番大きいかもしれません。
ラムダはお客様との距離が非常に近く、製品開発の際は、お客様と意見交換をしながら一緒に作り上げていけるので、そういった時間も好きです。

IA ： 今後、プラグインシリーズをどういった展開にしていきたいですか？　

AS ： 連携するアプリを増やしてもいいかなと思います。
既存のソフトだけでなく、近年ネットワークが発展してきているので、ネットワークを通じて繋がれるものを模索していきたいです。
開発者として、新しいものに対してのアンテナはずっと張っていくべきだと感じています。

また、「Premiere Pro®」は現状Windows版しかなく、Mac版は無いかとお問い合わせいただくので、何とかしないといけないなとはずっと思っており、理想としては、WindowsやMacなど関係なく繋ぐことができるプラグインを開発したいです。

他には、話している音声データから文字を起こして、そのデータをラムダのエディタに取り込んで装飾するというのも面白そうですね。
YouTubeなどのプラットフォームが発展しているので、新たな分野にも活用できるのではと考えています。

IA ： 支社長として、福岡支社を今後どのように発展させていきたいですか？

AS ： プラグインの他に何かラムダのベースとなるものを作っていきたいですね。
例えば、福岡にはゲーム会社が多いので、ゲームやeスポーツなどと
ラムダのテロップシステムを掛け合わせたもので新しいことができたらいいかなと考えています。
新しい分野でもラムダしかできない地位を確立していきたいですね。

個人の働き方としては、既存製品の開発自体は若手に任せて、私は新しい分野を開拓していきたいです。
家で例えると、設計図や材料は私が用意して、あとの設計を若手に任せていく、というスタイルが理想です。
福岡支社には意欲ある若手が多いので、楽しみにしています。

IA ： 最後に、仕事の中で嬉しい瞬間はどういった時か教えていただけますか

AS ： 他のメーカーなど関わった皆が集って行うカットオーバーの瞬間や、中継支援などのオンエアが終わったときです。
無事に終わって皆さんが笑顔で拍手をする瞬間に立ち会うことで「団結している」と実感できます。
頑張ってよかったといつも感じます。
開発している時は1人ですが、その先には大勢の方がいて、その一員として関わっていることに誇りを感じて日々業務にあたっています。

• EDIUSは、グラスバレー株式会社の登録商標です。
• Media Composer^®は、アビッド･テクノロジー株式会社の登録商標です。
• Premiere Pro^®は、アドビ システムズ株式会社の登録商標です。

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2回に渡り「プラグイン開発者インタビュー」をお送りいたしました。
「開発者」と聞くと、「黙々と仕事に向き合う少し堅い人」というイメージを持っていたのですが、
話を聞くと物腰が柔らかい方で、新しいものを作るのが好き、そして人と話すことが好き、
という柔らかな中にも熱い想いをもっている方だなと感じました。

常にお客様からご要望をいただくということは、信頼を得ているからであり、
そこには人柄の良さ、そして確かな技術力があるからだと痛感しました。

ASさん、そして福岡支社の皆様、ご協力ありがとうございました。