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株式会社テレビ新広島
経営推進本部 システム技術局 映像技術部
リーダー 吉田 恭祐 様
技術部 美術グループ 田中 輝生 様
メディア本部 編成局 メディア戦略部
下條 孝志 様
株式会社TSSソフトウェア
メディアシステム部 マネージャー
三浦 慎一 様

新社屋にて、技術、美術、スポーツ・コーダ運用のご担当者様、そして、いつも的確な橋渡しをしていただけるTSSソフトウェアのシステムご担当者様、4名の皆様にインタビューにご対応いただきました。
システムの技術的なお話だけではなく、制作美術のお話も数多く伺うことができました。
テロップ業務のあれこれが分かる貴重なインタビューです。

新社屋での様子

Q1.貴社のテロップシステム導入の歴史を教えてください。

GRID-5、NEWS32(インタビュアー注:現GRIDとNeo・nの前製品)の導入以来、2001年のCGシステム全面更新、2010年にHD化に伴うシステム全面更新、そして2020年新社屋移転に伴う全面更新と、ずっとラムダシステムズ(以下ラムダ)のテロップシステムを使用しています。
システムの全面更新以外にも、L字(e-Telop)、EDIUSプラグイン、Web版の電子発注など、適時導入してきました。

Q2.ラムダのテロップシステム導入に至った経緯を教えてください。

記憶によると、1993年頃に全国的にいち早くテロップを電子化した時から、ラムダのテロップシステムを使用しています。当時は、マスターで提供や天気を一般のパソコン端末からダイレクト送出していました。

美術の記憶でも、Macで写真を取り込み、テロップを出していた記憶はありますが、紙焼きやテロメイヤの記憶はないので、電子化は早かったと思います。

その後、テロップシステムに関しては、何社か選択肢がありましたが、ノンリニア編集機(EDIUS)への移行の際にテロップ連携をしたく、各テロップシステムメーカーに開発依頼をしたところ、ラムダが一番早く対応してくれて、実現することができました。
そういった開発レベルの高さ、編集機のバージョンに対応した安定運用の継続維持など、テロップメーカーとして安心感があります。

インタビューの様子
インタビューの様子
インタビューの様子
インタビューの様子

Q3.貴社にとってテロップとはどういったものでしょうか。

それぞれの番組の雰囲気を決めるものであり、映像に情報を補足して、より分かりやすく伝えるものです。基本的にテロップは必要な情報しかありません。

番組制作におけるテロップデザインの方針は、番組毎のディレクターが決めます。
そのため、美術が作成したテロップ素材も、実際に映像に載せるとサイズや位置の問題や、雰囲気に合わないなどの理由で、オンエアでは色味や大きさなどが変更になっている場合もあります。ディレクターの中には、テロップを一から作成出来る者もいます。

テロップを作成するにはフォントが必要ですが、以前は何社ものフォントが混在していました。その後整理し、今では使用できるフォントが統一され、現場もよりクリアに分かりやすく制作出来るようになりました。テロップ制作に関しては、そういった変化もありました。

最近は、番組をインターネット配信することも増えてきたため、スマホ画面でも見やすいように、報道番組などは、よりすっきりとしたテロップデザインになっている傾向です。

インタビューの様子

Q4.2020年にテロップシステム全体を更新されました。ポイントを教えてください。

2021年2月の新社屋移転に合わせて、全面的なシステム更新をしました。
主なポイントは6つです。

インタビューの様子

Q5.テロップシステム全体の更新で苦労したことを教えてください。

今回は、社屋移転のため、様々な放送システムに関して、限られた日程の中で、新設と移設を数多く行う必要があり、そのためのスケジュール調整が大変でした。
テロップシステムに関しては、ネットワークの移行、運用切替では、大きな問題は起きていないですが、送出機のサーバー型に関して、導入してすぐは、ファンの音が大きい、サイズが想定より大きく調整が必要などの問題はありました。
また、報道支援システムに関して、ニシコン社制作支援システム「Japrs」とPanasonic社送出支援システム「C-OTC」との連携導入について、ラムダは経験と実績があるため、心配はしていませんでしたが、事前打ち合わせは入念に行いました。

機材の様子

Q6.そして、ラムダのスポーツ・コーダを導入されました。
ラムダに決めたポイントと実際の使用感や感想をお聞かせください。

全体更新に合わせて、ラムダのスポーツ・コーダを初導入しました。
最終的な決め手としては、テロップシステムを長年使用している上でのシステムおよびメーカーとしてのラムダの信頼性、トラブル時の即時対応などが他システム/他メーカーと比べて優れていると判断したためです。
フジテレビ系列でのスポーツ・コーダ導入実績が多数あることも考慮しました。
実際に使用し始めて、システム自体がとても直感的で使い易く、基幹のテロップシステムと連携出来たことで、美術との素材のやり取りも簡単になりました。
スポーツ専用のキーボード(スポーツキーボード)を使うのは初めてで、操作性が良くて驚きました。
キーボードのテンプレートを変えることで様々な競技に対応出来るのも良いと思います。
スポーツのルールを知っていれば、使用方法が「何となく分かる」ため、すでに問題なく業務が出来ています。

制作の様子

Q7.テロップシステム更新後の使用感や感想をお聞かせください。

Neo・nに関して言えば、以前から欲しいと思っていた機能が追加されたため、より効率的に作業ができるようになりました。例えば、新機能(スタイルシートなど)が追加されたことや、以前は使いづらかった機能(マスク部分イメージ化・グラデーションの色編集)が簡単になったことです。これにより装飾の幅が広がりました。
また、近年はリッチなテロップ(3D、動きがあるものなど)を要望するディレクターもいるため、不具合なく作成・送出出来るようになったことは良かったと思います。

制作の様子

Q8.テロップシステムの更新の際に、美術として苦労したことがあればお聞かせください。

今回の新社屋移転と同時に番組の改変も行われたため、各番組のテロップデザインの変更、報道番組の新デザインカタログ作成などの業務が発生しました。
カタログに関しては、HD化の時もデザイン変更した記憶があるので、システム更新時は、機材だけではなく、テロップ作成に関する制作美術の業務も発生します。
ラムダのテロップシステムでの制作に関しては、Adobe®社illustrator®やPhotoshop®に近い感覚で使用出来るため、違和感がなく、とても使いやすいです。

Q9.テレビ新広島様は、系列にTSSソフトウェア様というソフトウェア開発会社があり、ラムダ製品(SDK)もご使用いただいております。とても珍しいと思いますが、どういった経緯で設立されましたか。

社長の先見の明が大きい思います。基本的にはテレビ新広島の業務を請け負っていますが、開発会社として他社からの仕事も受注しています。また、テロップ関連で言えば、提供や気象などのソフトウェアにチャレンジしたこともあり、ラムダのL字(e-Telop)との連携ソフトウェアを開発するなど、ラムダとは開発でも長年協力関係にあります。

インタビューの様子

Q10.テロップシステムにおける今後の展望とラムダへの要望をお聞かせください。

編集、サブ送出において、テロップは必須のシステムであるため、今後も引き続きお世話になっていきたいと思います。今より更に安定稼働し、かつ更なる高いパフォーマンスが発揮できるような機器を、価格据え置きでご提供いただけるよう期待をしております(笑)

インタビューの様子

美術としても、担当者がシステム変更で使い方を再度覚えるといった負担がかからないように、これからもずっとラムダのシステムを使用出来ればと思います。

インタビューの様子

開局以来変わっていないロゴマークが歴史を感じさせてくれます。
各々が異職種のプロ、だけど、チームワークが抜群な皆様でした。
制作現場でのお話をたくさん伺えたことは、今後の製品開発にとっても大変貴重です。
これからもより一層使いやすく、お客様の声を形に出来るメーカーとして邁進する所存です。引き続きよろしくお願いいたします。

集合写真(新社屋にて)

このインタビューは2021年10月に行いました。

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