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株式会社サンテレビジョン
技術局 技術部 部長 福本 有紀夫 様

新局舎移転で一新されたサンテレビジョン福本様にお話を伺いました。
神戸駅から歩いてすぐの新局舎は、ホテルに併設され、とにかくクリーンでスタイリッシュ。
局内の至るところに輝くキャラクター「おっ!サン」が見守ってくれています。

インタビューの様子

Q1.貴社のテロップシステム導入の歴史を教えてください。

初期は、紙焼き・テロメイヤー、1990年代に他社製品になりますがビデオタイトラー、スポーツビデオコーダー等、初めてテロップを電子化しました。
そして、2000年にD1化に合わせてラムダシステムズ(以下ラムダ)のテロップシステムを導入、2008年にHD化し、2020年の新局舎移転に伴い全面更新を行い、現在テロップシステムはラムダ製品で統一という流れです。
2000年に導入以来、ずっとラムダのテロップシステムを使用しています。
途中、EDIUSプラグインやAvid®プラグインも追加導入しました。

Q2.貴社にとってテロップとはどういったものですか。

番組制作上、必須素材です。
現在の視聴者には、TV画面にテロップがなければ何も伝わらない事が多いと思います。
テロップが紙焼きだった頃、某キー局で、大量かつ色付きの紙焼き素材でテロップを出すのを見て、テロップを出すには、大きな専門の部隊と時間が必要で、弊社では出来ない事だと思っていました。
その後、IT化が進み、Windows®が主流になり、テロップも簡単に作成出来て、当たり前に出せる様になりました。
ただし、テロップはあくまでも映像の補完として、視聴者が違和感を覚えないくらいがちょうど良く、出来るだけすっきりさせる。
大事なのは確実に必要な情報を伝えることだと思います。

インタビューの様子

Q3.2000年に初めてラムダのテロップシステムを導入するに至った経緯を教えてください。

デジタル化を検討する上で必須システムと位置づけ、テロップシステムの導入を検討しました。
テロップシステムのメーカーは国内に数社しかありませんが、価格、システム構築の安易さ、メンテナンス体制を比較検討し、ラムダを選択、導入に至りました。

景色の様子

こんな素晴らしい夜景も歩いて10分(ラムダFM撮影)

Q4.そして、2020年にテロップシステム全体を更新されました。ポイントを教えてください。

大きなポイントは3つです。

テロップシステムは長きにわたり使用出来るため、一度入れるとなかなか変わりません。
そのため、今回のシステム更新では、以前と同じ体制・システムにはしたくないという考えが計画当初からありました。
働き方を意識した、コスト面でも先々まで低減につながる、将来を見据えた更新にしたいと考えました。

機材イメージ
機材イメージ

Q5.テロップシステム全体の更新で苦労したことを教えてください。

作業の簡素化、効率化を図る上で、スポーツと選挙システムを他社システムから乗り換えるため、他部署の理解、了承を取り付けることです。
とはいえ、基幹システムはずっとラムダだったので、大きな問題にはなりませんでした。
新局舎移転が決まり、システムに関しては、3年かけて更新計画を遂行しました。
CGワーキンググループを結成、検討会を重ね、システム変更で想定される問題を確認し、解消していきました。他社製品と全く同じ機能という訳にはいかないため、ラムダにも何度かデモに来てもらって不安を解消していただきました。

制作の様子
制作の様子

Q6.スポーツ・コーダ、選挙システムは初の導入となりました。

スポーツ・コーダを新規導入したことは大きいです。
(インタビュアー注:サンテレビジョン様は、阪神戦約60試合、高校野球など、スポーツ中継に強い局です)
ラムダは、弊社が望む作画から送出までの環境をすべて受け入れてくれたので、無事に導入出来ました。
当初は、他社システムからの乗り換えで、担当部署、オペレーター共に相当な不安があった様ですが、ラムダの親身な対応により、現在では何ら問題なく使用しています。
また、違うメーカー同士だとデータの受け渡し等の問題もあったため、一社化出来たのは良かったです。

コスト面では、これまでアルバイトだったオペレーターをプロにすることで人員も機材も半分になりました。こういった体制の見直しも同時に行いました。システムに頼るのではなく、運用でカバー出来ることもあるので、オペレーターの経験・スキルの力は大きいです。
オペレーターはプロのため、機材のメーカーは問わず、今のところ問題なく進んでいます。
現段階では、満足いく更新で有った、と言い切れる状態です。
これから1か月後に高校バスケ・サッカー・ラグビー・バレーの中継が始まります。
そこでまた要望が出てくると思いますが、その時はまた相談したいと思います。

制作の様子

ラムダスポーツ担当(写真中右)が使用方法を説明中

番組表

Q7.テロップシステムにおける今後の展望とラムダへの要望をお聞かせください。

現在は、専任者(プロ)が業務を行うシステムなので仕方ないと理解もしていますが、今後は誰でも扱える安易なシステムになっていくことを望みます。
とは言え、もちろんシステムセキュリティーは確保した上でですが。
そして、テロップや他システムとの連携、作画から送出までの各システム環境をどれほど簡素化していただけるか、切に願います。
弊社を担当してくれているラムダの担当者は、導入してから変わらずベテランの方で、システムや運用のことを知り尽くしていただいているため、安心して全てをお任せしています。
今後、担当の方が変わった際にも、同様の対応を期待してしまいます。
その方のような専門知識や経験がなくても、自社でメンテナンス等可能な、取り扱い易いシステムになると良いと思います。

うち合わせの様子

頼れるラムダ大阪支社長(写真中)と次世代を担う若手(写真左)もSNS連携アプリの調整に来ていました

1995年阪神淡路大震災の時は、手書きフリップで送出していたそうです。そして、当日も当たり前に出社し放送、その後も1週間はコマーシャルなしで放送をする等、「テレビ局が毎日放送するのは当たり前のこと」と話してくださいました。
災害時こそ、情報が何よりの頼みの綱。テレビの役割と重要性はとても大きいと思いました。
ラムダとしても「テロップで人々の命と生活を支える」使命を再認識しました。
貴重なお話を数多く伺い、ありがとうございました。

このインタビューは2021年9月に行いました。

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